目次
LINE公式アカウントのメッセージ配信とは
2023年6月からLINE公式アカウントの無料プランで配信可能なメッセージ数が200通/月に変更されました。
メッセージ配信数というのは、例えば、友達登録されている人数が200人(お客様が200人)の場合には、1通/月配信できます。
以前は1,000通だったため、小規模事業者であれば無料プランで十分活用できていたのですが、一気に200通に削減されたことにより、無料プランでは対応できない事業者も増えました。
有料プランは月額 5,000円〜となっているため、小規模事業者にとっては、負担になります。
そこで、メッセージ配信は利用せず、顧客に個別に送信する「チャット」を利用してキャンペーン等の案内を自動的に送信する方法を試してみました。
「チャット」については、送信数に制限はありません。ただ、一斉配信機能はないため、顧客おひとりおひとりにメッセージを入力し送信する必要があります。
しかし、「チャット」を店舗から送信するためには、事前にお客様から店舗に対してチャットで何か送信してもらう必要があります。そのため、店舗のLINE公式アカウントが友達登録された際に自動的に送信される「あいさつ文」内に、何かメッセージ、絵文字、スタンプをお客様から送ってもらうように誘導しておく必要があります。(メッセージ配信ではこのような手順は必要なく、友達登録されているお客様全員に配信できます。)
RPAによる自動化の概要
RPAという、マウス操作やキー入力などのパソコン操作を自動化するツールがあります。Windowsパソコンの場合には、Microsoft社が無償提供している「Power Automate Desktop」というツールがあります。若干、動作が不安定な部分はありますが、無料で利用できるため操作方法を覚えればいろいろなPC操作を自動化することが可能です。
今回は、ある店舗の営業日カレンダーと案内メッセージを自動的に送信する操作を自動化します。
- 送信対象者リストを読み込む。
- 送信対象者をLINE公式アカウントのチャット画面から検索し、チャットを開始。
- 事前登録していた定型文(メッセージ)を読み出す。
- 各顧客に個別に送るメッセージを読み込み、定型文前に挿入する。
- 営業日カレンダー画像を送信する。
- 個別メッセージ&定型文を送信する。
- 次の顧客を検索する。(手順2から繰り返し)
RPA操作は人が行うマウスやキーボードの操作を自動化するため、処理速度はあまり高速化できません。ただ、繰り返し操作を自動化することで、PCを放置しておいても自動的に動作するため、その間、別の作業を行うことが可能です。
今回の操作は顧客1名にチャットを送信する時間が30秒程度のため、1時間に120人程度に自動的に送信可能です。
自動的に動作している様子を下記動画にてご確認ください。
メリット
- LINE公式アカウント無料プランで対応可能
- 顧客ひとりひとりに個別メッセージを送信することも可能
- 送信メッセージ数に上限なし
デメリット
- 事前に顧客から店舗へチャットメッセージを送信してもらう必要がある
- 送信に時間がかかる
RPAの具体的な構築方法についてはご回答できませんので、ご了承ください。