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スモールDXからはじめよう!
大企業では社内DX人材の育成や配置転換が進められています。中小企業でも市販のIoTデバイスや無料のRAPツール(パソコンのキーボードやマウス操作を自動化するツール)を利用することで、DXを推進していくことも可能です。
一気にDXを進めるのは困難ですので、まずはスモールDXから始めましょう!
スモールDXであれば、社員の方がIoTやRPAツールの使い方を学習すれば、今回ご紹介するような自動化ツールを内製化することも可能です。
システムの外注ばかりではなく、社内DX人材育成、システムの内製化もご検討ください。
製品出荷の自動化
弊社ではIoTデバイスの出荷検査・初期設定なども行なっております。
今回のデバイスは、検査を行う際にリセットボタンを細いもので3秒間長押しする必要があるのですが、手作業で行うと時間がかかり大変です。
また、デバイスのデータを読み取り検証結果をExcelなどにコピー&ペーストする作業も、手作業ですと時間がかかり正確性を欠いてしまいます。
よって、デバイスを検査治具に取り付ける部分のみを手作業で行い、リセットボタンの長押しやパソコンのマウス操作、キーボード操作などは全て自動化することにしました。
デバイスセット後、1分間放置しておくとデバイスに貼付するラベルが自動的に印字されて作業が完了します。
今回は数百台のデバイス検査ですのでこの程度でも良いかと思っています。
さらに台数が増える場合には、ロボットアーム(Dobot Magician等)や小型コンベアを連携することで、さらなる自動化も可能です。
システム詳細
PC側
RPA:Power Automate Desktop
Microsoftが配布している無料で利用可能なツールです。Windows10であれば無料でダウンロード可能ですし、Windows11であれば最初からインストールされています。
プログラムはローコードコーディングですので子どもたちが学校で取り組むScratchのように、ブロックをつなぎ合わせてプログラムをしていきます。
ExcelのマクロVBAのようにスクリプトを組む必要はありません。
RPAなので、画面上のこのアイコンをダブルクリックするなどの命令をブロックで組んでいきます。
そのため、現在、人が行なっているマウス操作、キーボード操作はRPAで自動化できますので、既存ソフトをそのまま活用することが可能です。
今回のシステムでは、PCと製品デバイス間で通信する既存ソフトを操作し、デバイス内の情報を読み取ってファイルとして保存し、デバイスの固有IDをラベルプリンタソフトを操作して印字するという全操作を自動化しています。
IoTデバイス側
今回は常時USBから給電できることから、コンパクトなM5StickC Plusを利用しました。
- M5StickC Plus https://eleshop.jp/shop/g/gKBR311/
- サーボドライバ https://eleshop.jp/shop/g/gL7G312/
- サーボモーター SG90 https://eleshop.jp/shop/g/gG97412/
PCとM5StickC PlusをUSBシリアルで接続し、PCからコマンドを送信することでサーボモーターを動かしリセットボタンをプッシュします。
M5StickC Plusの画面に表示する文字列もPCから送信したデータを表示しています。
M5StickC PlusをPCのBluetoothキーボードとして認識させ、M5StickC PlusのボタンをプッシュするとPCにキー入力を送信しています。
今回は製品を治具に手動セットした時点で、PowerAutomateDesktopの処理を開始する際に、M5StickC PlusのボタンPUSHをすることでキー入力情報がBluetoothにてPCに送信され、PowerAutomateDesktopの自動処理が開始されます。