IoT専用格安SIM「1NCE」での通信確認


10年間で2,000円。IoT専用格安SIM「1NCE」を使ってみました。

1NCEとは

Google 生成AIによると、

1NCE(ワンス)は、IoT(モノのインターネット)向けの通信とソフトウェアを提供する企業です。世界150カ国以上で、高速で安全なセルラー接続とソフトウェアサービスを提供しています。
1NCEは、2017年にドイツで設立されました。現CEOのAlexander P. Sator氏とドイツテレコムが共同出資して創業しました。本社はドイツのケルンに置かれています。
1NCEの機能には、次のようなものがあります。

  • 500MBのデータ量
  • 250通のSMS
  • グローバルカバレッジ
  • ほぼ全ての通信規格に対応
  • カスタマーポータル
  • REST API
  • APN
  • OpenVPN

1NCEは、日本を含むアジア、北米、南米、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの140ヵ国以上で利用できます。2G、3G、4G/LTE-M、NB-IoTなどほぼ全ての通信規格に対応しています。
1NCEは、2,000円(税抜)で10年間有効なIoT フラットレートを提供しています。このフラットレートには、500MBのデータ量と250件のSMSが含まれています。使い切っても追加チャージが可能です。

とにかく、IoTにはピッタリのSIMで、10年間で500MBの通信料が2,000円。1ヶ月換算だと、4.16MBの通信料が16.7円。とても安いです。

日本国内の販売代理店はソフトバンクさんですが、1nceのSIM自体はグローバルSIMなので150カ国で使用可能で、国内ではSoftbankの電波はもちろんのこと、KDDIの電波も掴みます

SIMは1枚単位で購入可能で、チップSIM(eSIM)も100個単位で購入可能なためPoCにも利用しやすいです。

また、SIMの管理画面(ダッシュボード)も使いやすく、英語ながら各種ドキュメントも整備されているため、使い方に困ることもなさそうです。

1NCEはIoT専用SIMのため、その他のSIMのようにスマートフォンに挿してそのまま使えるものではありません。デバイスとゲートウェイ間はUDP、CoAP、LwM2M等のプロトコルで通信し、「1NCE OS」というサービスを利用して、HTTPS通信やAWS IoT Core通信に変換して外部サーバーにデータを転送します。このあたりの処理は、Sigfox backend、SORACOM Beam等と似た仕組みのため、IoT開発経験があればすんなりと理解できそうです。

1NCE SIMによる疎通確認

手元にある評価ボード(Quectel BG77)に1NCEのSIMを挿して疎通確認を行いました。

//基地局を検索
[2023-10-12_13:12:18:394]AT+COPS=?
[2023-10-12_13:14:56:885]+COPS: (1,"SoftBank","SoftBank","44020",9),(1,"440 52","440 52","44052",8),(1,"KDDI","KDDI","44050",8),(1,"JP DOCOMO","DOCOMO","44010",8),(1,"441 00","441 00","44100",8),(1,"KDDI","KDDI","44051",8),(1,"SoftBank","SoftBank","44020",8),(1,"440 54","440 54","44054",8),(1,"440 11","440 11","44011",9),,(0,1,2,3,4),(0,1,2)
[2023-10-12_13:14:56:901]OK

//1NCEのAPN設定
[2023-10-12_13:19:58:493]AT+QICSGP=1,1,"iot.1nce.net","","",1  
[2023-10-12_13:19:58:508]OK

//SoftBankに接続 OK
[2023-10-12_13:38:15:946]AT+COPS=1,2,"44020"
[2023-10-12_13:38:15:962]OK
[2023-10-12_13:38:20:511]AT+COPS?
[2023-10-12_13:38:20:511]+COPS: 1,2,"44020",8
[2023-10-12_13:38:20:511]OK
[2023-10-12_13:38:25:072]AT+QNWINFO
[2023-10-12_13:38:25:072]+QNWINFO: "eMTC","44020","LTE BAND 8",3750
[2023-10-12_13:38:25:072]OK

//KDDI(LTE)に接続 NG
[2023-10-12_13:38:30:539]AT+COPS=1,2,"44050"
[2023-10-12_13:38:32:289]+CME ERROR: 30

//KDDI(VoLTE)に接続 OK
[2023-10-12_13:39:00:471]AT+COPS=1,2,"44051"
[2023-10-12_13:39:04:383]OK
[2023-10-12_13:39:05:917]AT+COPS?
[2023-10-12_13:39:05:917]+COPS: 1,2,"44051",8
[2023-10-12_13:39:05:917]OK
[2023-10-12_13:39:10:453]AT+QNWINFO
[2023-10-12_13:39:10:453]+QNWINFO: "eMTC","44051","LTE BAND 18",5900
[2023-10-12_13:39:10:453]OK

//DOCOMOに接続 NG
[2023-10-12_13:42:51:285]AT+COPS=1,2,"44010"
[2023-10-12_13:48:28:645]+CME ERROR: 30

//SoftBankに接続後、google.comにPING
[2023-10-12_13:55:06:293]AT+QPING=1,"google.com",4,10
[2023-10-12_13:55:06:293]OK
[2023-10-12_13:55:07:752]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,625,255
[2023-10-12_13:55:08:397]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,637,255
[2023-10-12_13:55:09:047]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,647,255
[2023-10-12_13:55:09:688]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,637,255
[2023-10-12_13:55:10:334]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,638,255
[2023-10-12_13:55:10:961]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,628,255
[2023-10-12_13:55:11:605]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,637,255
[2023-10-12_13:55:12:235]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,638,255
[2023-10-12_13:55:12:879]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,637,255
[2023-10-12_13:55:13:521]+QPING: 0,"142.250.185.142",32,638,255
[2023-10-12_13:55:13:521]+QPING: 0,10,10,0,625,647,636


SoftbankとKDDIに接続可能であることが確認できました。