通信衛星とスマートフォンの直接通信 au Starlink Direct専用プランを使ってみた感想

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はじめに

日本国内でも通信衛星とスマートフォンが直接通信できる環境が整いはじめました。現時点ではauとSarlink間で利用できますが、通常のインターネット通信のような接続はできず、Google メッセージアプリからの送受信のみ対応しています。

今後、通常のデータ通信にも対応するようです。来年以降は他社も通信衛星との直接通信に対応する予定のようです。
今回は、au Starlink Direct専用プランを利用して、Google Pixcel 9aから通信の確認を行います。

各社の今後の予定一覧

事業者サービス名商用開始予定主な特徴・進捗
KDDIau Starlink Direct2025年4月開始済みSMS等→2025年夏以降データ通信対応へ
楽天モバイル楽天最強衛星サービス2026年10〜12月予定LTEスマホ対応、ビデオ通話実証済み
NTTドコモ未公表2026年夏予定詳細未公表、災害時利用も想定
ソフトバンク未公表2026年中予定提携衛星会社未公表、HAPSも継続開

KDDI(au Starlink Direct)

  • 2025年4月10日、日本で初めて「au Starlink Direct」として商用サービスを開始。
  • SpaceXのStarlink衛星と連携し、既存のauスマートフォン(iPhone 14以降や主要Android機種)で直接衛星通信が可能。
  • サービス開始時点では、SMSやRCS、iMessageなどのテキストメッセージ送受信、緊急地震速報の受信、位置情報共有などに対応。
  • 当面は無料で利用可能。申し込み不要。
  • 2025年夏以降にはデータ通信(ウェブ閲覧や動画配信など)にも対応予定。
  • 通信可能エリアは日本全国(人口カバー率99.9%超、面積カバー率約60%→ほぼ全域に拡大)。

楽天モバイル(楽天最強衛星サービス)

  • 米AST SpaceMobileと提携し、2026年第4四半期(10月〜12月)に商用サービス開始予定。
  • 既存のLTE対応スマートフォンがそのまま利用可能(買い替え不要)。
  • 2025年4月には福島県でビデオ通話の実証実験に成功。
  • サービス開始時には日本全国(山間部・海・離島も含む)での利用を目指す。

NTTドコモ

  • 2026年夏にスマートフォンと衛星の直接通信サービスを開始予定と発表。
  • 災害時や圏外地域での活用を想定。
  • 使用する衛星の詳細は未公表。

ソフトバンク

  • 2026年中に衛星とスマートフォンの直接通信サービスを開始予定。
  • 提携する衛星会社は未公表。
  • これまで注力してきた成層圏通信プラットフォーム(HAPS)も継続して開発。

通信場所の確認

au Sartlink Directはauの電波が入る場所では利用できません。
そのため、auのエリア外の場所に行く必要があります。

最近はauのエリアが広がり弊社所在地の鳥取県でも自動車が通れる道路は、ほぼauのエリアです。

今回は、鳥取県八頭町にある「八東ふるさとの森」に向かう道路の途中がauのエリア外(他社も含め携帯はエリア外)にて実験しました。

一応、空は見える状態ですが周囲は森林のため、衛星通信にはあまり適さない環境だと思います。

電波状況の確認

auの電波が入らないことを確認します。

屋外で衛星の電波を掴むまで待機します。

衛星マークが表示されます。

衛星マークが表示されている状態でも、衛星通信できるというわけではないようです。

衛星と通信できる状態の場合、ステータス表示を開くと「SpaceX- au」という表示を確認できます。

Googleメッセージから送受信

GoogleメッセージアプリからSMSを送受信します。

使い方はLTE回線通信時と特に変わりません。

送信に成功すると、送信時刻が表示されます。
衛星通信ができず送信待ちの場合は、タイマーマークが表示されます。

Gemini in Google メッセージでAIとチャット

Googleメッセージアプリ内からGoogle AIのGeminiを利用できます。

注意点としては、「Gemini」アプリからは衛星回線は利用できず、Googleメッセージアプリ経由で利用する必要があります。

GoogleメッセージアプリのGeminiアイコンをタップするとAIとのチャットが始まります。

Geminiに弊社のことを聞いてみました。

au Starlink Direct 使用感まとめ

今回は山中での衛星通信を確認しました。

木々に囲まれていたため、あまり衛星通信には適さない環境ではありましたが、衛星に接続できれば通信のレスポンスはそれなりに良かったです。

ただ、実際に衛星に接続できるのは断続的に短時間でした。屋外であれば常時接続できるというような使用感ではありませんでした。

FAQ

通信衛星とスマートフォンの直接通信サービスとは何ですか?

地上の基地局を経由せず、スマートフォンが直接通信衛星と接続して通信できるサービスです。これにより山間部や離島、海上など従来の携帯電話が圏外となる場所でも、テキストメッセージ送信や位置情報共有などが可能になります

現在利用できるのは、どのようなサービス内容ですか?

2025年5月時点では、テキストメッセージ(SMS、RCS、iMessage)送受信、位置情報共有、AIチャット(Gemini)、緊急速報メールの一部(地震・津波警報など)に対応しています。音声通話や通常のデータ通信(ウェブ閲覧等)は未対応ですが、今後対応予定です

どのエリアで利用できますか?

日本全国(47都道府県および領海)で利用可能ですが、au 4G/5Gエリア内では利用できません。空が見える場所で、かつauの圏外である必要があります。

どのスマートフォンで使えますか?

auで販売中の主要スマートフォン(iPhone 14以降や主要Android機種)が対応しています。2025年5月時点で18~50機種が対応し、今後も拡大予定です。

auユーザー以外も利用できますか?

auユーザーは当面無料、他社ユーザー向け専用プランは6カ月間無料、その後は月額1,650円(UQ mobile対象プランは月額550円)です。

どのような場所で利用できますか?

auの電波が届かないエリア(山間部、海上、離島など)で、かつ空が見える場所で利用できます。森林や建物などで空が見えにくい場合、接続が不安定になることがあります

衛星通信モードへの切り替え方法は?

初期設定は必要ですが、利用時には特に操作は不要です。ただし、全く衛星に接続しない場合にはスマートフォンを再起動すると接続できました。

衛星通信中はどんな表示になりますか?

スマートフォンの画面に衛星マークが表示され、「SpaceX-au」などの表示が確認できます。

災害時や遭難時の活用方法は?

圏外でもテキストメッセージや位置情報の送信ができるため、救助要請や安否確認に役立ちます。Googleメッセージアプリから「場所」を送信すると、相手に位置情報を共有できます。

AIチャット(Gemini)は使えますか?

Googleメッセージアプリ経由でGeminiとのAIチャットが利用できますが、Geminiアプリ単体では衛星通信は利用できません