降雨センサーのデータをクラウドで見える化 (SPRESENSE / ThingsBoard)


はじめに

電源を確保できない農地での利用を想定し、降雨データを携帯SIMで送信しクラウドで見える化してみます。

温度・湿度データも収集しますが、外気のデータではなく機材ボックス内のデータです。機材はウオルボックス内に格納してあり、さらにその外側を発泡スチロールを使って囲ってあります。発泡スチロールの外側にはアルミパネルを貼り、直射日光によるウオルボックス内の温度上昇を抑制できるかも実験します。
なお、発泡スチロールの全面をアルミパネルで覆うとSIMの通信に影響がでる可能性があるため、北側に面する一面はアルミパネルを貼っていません。

デバイスの構成

センサ関連

  • 降雨:Gravity – 降雨センサ(I2C/UART)
  • 照度:Gravity – I2C接続 環境光センサ (IP68)
  • 温度・湿度・気圧:M5Stack用温湿度気圧センサユニット Ver.3(ENV Ⅲ)

マイコン関連

  • SONY SPRESENSE メインボード
  • SONY SPRESENSE LTEボード 外付けアンテナモデル
  • LTE用外付けアンテナ
  • I2C expansion board for SPRESENSE (Grove compatible)
  • M5Stack用拡張ハブユニット

電源関連

  • スマートカメラ用ソーラーパネル 3W KJ-190
  • Li-Po ライダー Pro
  • リチウムポリマー電池 3.7V 3000mAh

通信関連

  • 1nce SIM (10年間使えて 2,000円)

その他

  • 単管パイプ 1m x 2
  • 単管パイプジョイント
  • 単管パイプ用垂木止めクランプ x 3
  • 単管用保護キャップ
  • アングル40 x 2
  • ステンレス取付金具 30cm x 2
  • ガスコンロ用アルミパネル
  • 発泡スチロール
  • 未来工業 ウオルボックス Dタイプ 縦型 ハイグレードタイプ 屋根一体型 264 x 258 x 103mm
  • PF管 ミラフレキMF
  • ブロック C‐10 基本
  • 砕石 15mm以下

クラウドでの見える化 (ThingsBoard)

今回はThingsBoardというツールを使って、デバイスから収集したデータを見える化します。ThingsBoardは有料のクラウドサービスとして提供されていますが、機能制限があるCommunity Editionは自分でサーバーを用意してインストールすれば無料で利用することができます。今回はクラウドサーバーを利用しますが、例えばRaspberry PiにThingsBoardをインストールすれば、完全にローカルで無料で利用することも可能です。

クラウドサーバーへのインストール手順については下記記事にまとめています。

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FAQ

このシステムの主な目的は何ですか?

電源を確保できない農地での利用を想定し、降雨データを携帯SIMで送信してクラウドで見える化することが主な目的です。また、機材ボックス内の温度・湿度データも収集し、発泡スチロールとアルミパネルによる温度上昇抑制効果も検証します。

システムの主要コンポーネントは何ですか?

主要コンポーネントは、SONY SPRESENSEメインボードとLTEボード、各種センサー(降雨、照度、温度・湿度・気圧)、ソーラーパネルと電池による電源システム、1nce SIMによる通信、そしてThingsBoardによるデータ可視化システムです。

完全なオフグリッド運用は可能ですか?

はい、ソーラーパネル(3W)とリチウムポリマー電池(3.7V 3000mAh)の組み合わせにより、電源供給のないエリアでも運用可能な設計になっています。

SPRESENSEを選んだ理由は何ですか?

SPRESENSEは低消費電力で高性能なマイコンボードであり、LTE拡張ボードとの組み合わせによりモバイル通信が可能です。また、I2C拡張ボードを使用することで複数のセンサーを簡単に接続できる利点があります。

使用しているSIMカードの特徴は何ですか?

1nce SIMを使用しており、10年間使えて2,000円という特徴があります。これにより長期運用時の通信コストを大幅に抑えることができます。

機材の耐候性はどのように確保していますか?

機材は未来工業のウオルボックス(Dタイプ 縦型 ハイグレードタイプ 屋根一体型)に格納し、さらに発泡スチロールで囲い、アルミパネルを貼ることで直射日光による温度上昇を抑制する設計になっています。

発泡スチロールの全面をアルミパネルで覆わないのはなぜですか?

SIMの通信に影響が出る可能性があるため、北側に面する一面はアルミパネルを貼っていません。これにより通信品質を確保しています。

ThingsBoardとは何ですか?

ThingsBoardはIoTデバイスの管理とデータの可視化を可能にするオープンソースのIoTプラットフォームです。デバイスの接続性、データ収集、処理、視覚化までを一貫して提供し、IoTソリューションの開発と展開を簡素化します。

ThingsBoardの利用コストはどうなっていますか?

ThingsBoardはCommunity Editionが完全に無料で利用できます。このエディションはApache 2.0ライセンスの下で提供されており、個人利用だけでなく商用利用も可能です。クラウドサービスとしても提供されていますが、自分でサーバーを用意すれば無料で利用できます。

ThingsBoardでどのようなデータ可視化が可能ですか?

カスタマイズ可能なダッシュボードを通じて、グラフ、ゲージ、マップなど多様なウィジェットを組み合わせた直感的なインターフェースを作成できます。リアルタイムモニタリングや履歴データの分析、特定条件でのアラート発生なども可能です。

ThingsBoardはどのような通信プロトコルをサポートしていますか?

ThingsBoardはMQTT、CoAP、HTTP、LwM2Mなどの標準的なIoTプロトコルをサポートしています。また、ThingsBoard Gatewayを使用することで、既存のデバイスも接続可能です。

Raspberry PiでThingsBoardを利用することは可能ですか?

はい、Raspberry PiにThingsBoardをインストールすれば、完全にローカル環境で無料で利用することが可能です。

データの長期保存は可能ですか?

はい、ThingsBoardを自分のサーバーにインストールして使用する場合、データの保存期間に制限はありません。これにより、長期的なデータ分析や傾向把握が可能になります。