複数ネット回線 OpenMPTCProuterにてGateway Downを回避する方法


弊社ではスマート林業にて利用するデバイスを山間部にて開発しています。

山間部のため携帯電話の電波も入りづらいです。

そのため、衛生インターネットのStarlinkを使用しているのですが、Starlinkは北側に空が開けていなければ通信状態が悪化します。
弊社の開発場所では、北側の空も一部森林で見えない状態であり、Starlinkの通信も途切れることがあります。

そこで、Starlinkの通信と携帯のLTE通信を束ねることで、どちらの回線が切断しても他方の回線で通信を継続できるようにしています。

以前、下記記事にてSpeedifyというサービスを利用して、複数回線を束ねる方法を紹介しました。
この方法は比較的簡単に構築できるのですが、月額料金が必要であることと、Speedify経由の通信は海外からの通信として判定されるため、国内のサービスに接続しようとするとリジェクトされることがあります。

そこで、弊社ではOpenMPTCProuterというソフトウェアを利用して複数回線を束ねています。
構築の詳細は割愛しますが、山間部のサテライトオフィスにはRaspberry Pi 3B+ にOpenMPTCProuterをインストールしたルーターのようなデバイスを準備し、それにStarlink と LTE回線を接続し、複数回線を束ねます。

束ねた通信は弊社本社に設置したVPSに接続されており、インターネットへの接続は弊社本社経由で行われます。
よって、接続は国内からの接続として判定されるため、国内サービスに接続する場合もリジェクトされることはありません。

ここでサテライトオフィス側のデバイスにて、LTE回線の通信がたびたび切断されることがありました。
LTE通信自体は接続できているものの、OpenMPTCProuterからLTE経由の通信が切断され、Geteway Down状態になっていました。

そこで、OpenMPTCProuterの見直しました。
LTE回線の設定において、「Enable SQM」をチェックし、Download speedとUpload speedにスマートフォンアプリにて計測した通信速度の平均値を設定しました。

この設定を見直したことで、LTE回線のGeteway Downは発生しなくなりました。

ちなみに、Raspberry piのOpenMPTCProuterとVPSのOpenMPTCProuterのバージョンは、同じバージョンでなければ動作しません。